【2026年最新】介護職を辞めたい理由8選|辞める・続ける判断基準を介護福祉士が解説
「介護職を辞めたい」「今の職場を続けるべきか分からない」と悩んでいませんか?
介護の仕事では、人間関係・人手不足・夜勤・給与・身体的な負担など、さまざまな理由から辞めたいと感じることがあります。
しかし、「介護そのものを辞めたい」のか、「今の職場を辞めたい」のかで、取るべき選択は大きく変わります。
この記事はこんな方におすすめです
- 現在、介護職を辞めようか迷っている方
- 介護職に就職・転職する前に大変な部分を知っておきたい方
- 今の職場が合わないのか、介護自体が合わないのか判断したい方
この記事で分かること
介護職を辞めたいと感じる主な理由から、辞める・続ける判断基準、辞める前にできる対処法、次の職場選びのポイントまで解説します。
読み終える頃には、「今の職場を続ける」「働き方を変える」「転職する」「介護以外を検討する」のどれを考えるべきか整理できるようになります。
執筆者プロフィール
介護経験:13年目
保有資格:介護福祉士
経験した施設種別:ユニット型
介護現場での実務経験をもとに、これから介護職として働く方、新人介護士、現在の働き方に悩んでいる方へ、現場目線の情報を発信しています。
最終更新日:2026年9月1日
制度・掲載リンク確認日:2026年9月1日
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。健康状態、労働条件、退職などについて個別の判断が必要な場合は、医療機関や勤務先、公的相談窓口などへご相談ください。
介護職を「辞めたい」と感じる人は珍しくない
介護職を辞めたいと考えると、
「周りは普通に働いているのに、自分だけなのでは?」
と思ってしまう方もいるでしょう。
しかし、介護現場では人間関係、人手不足、給与、身体的・精神的負担など、さまざまな悩みがあります。
公益財団法人介護労働安定センターでは、毎年「介護労働実態調査」を実施しています。
令和7年度調査では、全国の介護事業所と介護労働者を対象として調査が行われ、労働者調査では20,675人から有効回答を得ています。
ここで大切なのは、「辞めたいと思った=介護職に向いていない」とすぐに決めないことです。
「辞めたい」と思うことと、実際に辞めることは別
忙しい勤務が続いたときや、苦手な職員との勤務が重なったとき、大きなミスをして落ち込んだときなどに、一時的に「辞めたい」と感じることもあります。
そのため、退職するか判断する前に、
何がつらいのか
↓
改善できる問題なのか
↓
職場を変えれば解決するのか
↓
介護という仕事そのものが合わないのか
という順番で整理することをおすすめします。
「辞めたい」という感情ではなく、「辞めたい原因」を整理することが最初の一歩です。
参考:
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
介護職を辞めたいと思う主な理由8つ
介護職を辞めたい理由は一つとは限りません。
人間関係、人手不足、給与、夜勤、身体的負担など複数の不満が重なり、退職を考えるケースもあります。
① 職場の人間関係がつらい
介護は一人で完結する仕事ではありません。
介護職員だけでなく、看護職、ケアマネジャー、生活相談員、リハビリ職、管理者などと連携しながら利用者を支援します。
そのため、
- 職員によって指示が違う
- 質問すると嫌な顔をされる
- 特定の職員から強く当たられる
- 陰口や派閥がある
- 新人が質問しにくい
- 上司に相談しても改善されない
といった環境では、介護業務そのものよりも職員同士の人間関係で疲れてしまうことがあります。
特に、
「誰に聞くかによって答えが違う」「職員によって介護方法が違う」
という状態は、新人職員にとって大きなストレスになりやすい部分です。
実務者コメント追記ポイント
13年間介護現場で働いてきた中で、「辞めたい」と感じる理由として特に多く見受けられるのが、職員同士の人間関係です。
介護の仕事そのものが嫌というより、一緒に働く職員との関係に疲れてしまい、退職を考えるケースは少なくありません。
特に介護現場では、長く勤務していて職場内で発言力の強い、いわゆる「お局」と呼ばれるような職員がいることもあります。
もちろん、長く働いている職員すべてに問題があるわけではありません。
しかし実際には、自分に対してだけ言い方がきつい
小さなミスでも強く指摘される
質問すると嫌な顔をされる
職員によって教えている内容が違う
常に相手の機嫌を気にしながら働かなければならない
他の職員には普通なのに、自分には当たりが強い
といった悩みを抱える職員を見てきました。
明確に「パワーハラスメント」と判断できるほどではなくても、毎日のように強い口調で接されたり、
質問しづらい雰囲気が続いたりすると、
それだけでも大きなストレスになります。
特に新人職員の場合は、分からないことを確認しながら仕事を覚えていく必要があります。
その中で、
「また怒られるかもしれない」
「聞いたら嫌な顔をされそう」
と感じるようになると、必要な確認までできなくなってしまうことがあります。
介護現場では利用者の安全に関わる判断も多いため、質問や相談がしづらい人間関係は、職員本人がつらいだけでなく、業務上のリスクにつながる可能性もあります。
人間関係がつらいときは「相手が嫌い」だけで終わらせない
人間関係で悩んだときには、まず「その人が嫌い」という感情だけではなく、具体的に何が仕事をしづらくしているのかを整理することをおすすめします。
例えば、
「○○さんが怖い」
だけではなく、
「質問すると強い口調で返されることが続いており、確認が必要な場面でも声を掛けづらくなっている」
というように考えます。
こうして整理すると、上司や管理者へ相談するときにも状況を伝えやすくなります。
可能であれば、
いつ起きたのか
どのような場面だったのか
どのような言い方をされたのか
仕事にどのような影響が出ているのか
を簡単に記録しておくのも一つの方法です。
すぐに「介護職が向いていない」と決めなくてもいい
人間関係が原因で辞めたいと感じている場合、介護という仕事そのものが合わないとは限りません。
同じ介護施設でも、フロアやユニットが変わるだけで職員構成や雰囲気が大きく変わることがあります。
そのため、法人内で異動が可能であれば、まずは上司や管理者へ相談してみてもよいでしょう。
また、相談しても状況が変わらない場合には、別の施設へ転職するという選択肢もあります。
私自身、介護現場で長く働いてきて感じるのは、「介護が嫌になった」のではなく、「今いる職場の人間関係に疲れてしまった」というケースは珍しくないということです。
だからこそ、人間関係がつらいときには、
「介護職を辞めるべきか」ではなく、「今の人間関係や職場環境を変えることはできないか」
という視点でも一度考えてみてほしいと思います。
ただし、相談しても改善されず、出勤すること自体が大きな負担になっている場合には、無理に現在の職場へこだわる必要はありません。
「我慢して働き続ける」か「介護職を辞める」かの二択ではなく、相談・異動・職場変更まで含めて選択肢を持つことが大切です。
② 人手不足で仕事量が多い
介護職の負担を大きくする原因の一つが人手不足です。
職員が不足すると、
- 一人で対応する利用者が増える
- ナースコールへの対応が重なる
- 記録を書く時間がない
- 入浴・排泄介助が集中する
- 休憩が取りにくい
- 欠勤者の穴埋めが増える
など、一人ひとりの負担が大きくなりやすくなります。
厚生労働省は、第9期介護保険事業計画に基づく推計として、2026年度には約240万人の介護職員が必要としています。
人材確保は現在も介護業界全体の課題です。
ただし、
「介護職だから忙しい」のか、「現在の職場の人員体制に問題がある」のかは分けて考える必要があります。
③ 給料・待遇が仕事量に見合わない
介護職は、利用者の生活や安全に直接関わる仕事です。
身体介護だけではなく、
- 事故防止
- 服薬確認
- 介護記録
- 家族対応
- 看取り
- 夜勤
- 委員会活動
- 新人指導
など、経験を積むほど責任が増えていく場合があります。
そのため、
「仕事内容や責任に対して給与が見合っていない」
と感じ、退職を考える方もいます。
求人を見る際には総支給額だけではなく、
基本給・夜勤手当・資格手当・処遇改善・賞与・昇給制度
まで分けて確認することが大切です。
④ 夜勤・不規則勤務がつらい
入所施設では、早番・日勤・遅番・夜勤などを組み合わせたシフト勤務になる場合があります。
特に夜勤では、
- 急変への対応
- 転倒への不安
- ナースコールの連続
- 睡眠リズムの乱れ
- 十分に休憩できない
などが負担になることがあります。
ただし、
「夜勤がつらい=介護職を辞めなければならない」わけではありません。
デイサービスや日勤中心の職場、勤務形態の変更などを検討する方法もあります。
⑤ 身体的な負担が大きい
介護現場では、
- 移乗介助
- 排泄介助
- 入浴介助
- 体位交換
- ベッド上での介助
など身体への負担を伴う仕事があります。
ただし、身体的負担は本人の体力だけで決まるわけではありません。
福祉用具、人員配置、設備、職員の介助技術によっても負担は変わります。
そのため、
「自分には介護が向いていない」と考える前に、現在の職場環境によって負担が大きくなっていないか確認してみましょう。
⑥ 精神的な負担や責任が大きい
介護職は利用者の安全に関わる仕事です。
転倒・誤薬・誤嚥・急変などに注意しながら業務を行う必要があり、特に新人の頃は、
「何かあったら自分の責任になるのではないか」
という不安を抱えることがあります。
経験を積むことで判断しやすくなる部分もありますが、慢性的な人手不足や相談しにくい職場環境が重なると、精神的な負担はさらに大きくなります。
重大な判断や不安を一人で抱え込まない職場環境になっているかも確認したいポイントです。
⑦ 利用者・家族との関係に疲れてしまった
介護職の人間関係は、職員同士だけではありません。
利用者や家族との関係に悩む場合もあります。
- 暴言
- 暴力
- 性的な言動
- 著しく理不尽な要求
- 過度なクレーム
などを、すべて「介護だから仕方ない」と一人で我慢する必要はありません。
厚生労働省も、介護職員が安心して働ける環境を整備するため、介護現場におけるハラスメント対策を示しています。
利用者・家族とのトラブルを職員個人だけの問題にせず、管理者や事業所として対応できる体制が重要です。
⑧ 施設の方針・教育・評価制度に納得できない
見落とされやすいのが、施設そのものへの不満です。
例えば、
- 職員によって介護方法が違う
- 新人教育の仕組みがない
- 相談しても改善されない
- 頑張っても評価されない
- 利用者本位とは思えない介護を求められる
- 施設の方針と自分の介護観が合わない
といったケースがあります。
この場合、
介護の仕事自体が嫌なのではなく、「現在の施設の考え方と自分が合っていない」可能性があります。
実務者コメント追記ポイント
小さな不満の積み重ねが退職につながることもある
介護現場で長く働いていると、退職のきっかけは必ずしも「給料が安い」「仕事がきつい」といった一つの大きな理由だけではないと感じます。
実際には、施設の方針や管理者の対応、職員同士の関係など、一つひとつは我慢できそうな小さな不満が積み重なり、最終的に「もうここでは働けない」と感じるケースも少なくありません。
例えば、
* 利用者本位の介護をしたくても、業務を回すことが優先される
* 職員によって介助方法やルールが違う
* 管理者へ相談しても「仕方ない」で終わってしまう
* 頑張っている職員とそうでない職員の評価に差がない
* 特定の職員だけ発言力が強く、周囲が意見を言いにくい
* 人手不足の状態が続いていても改善する動きが見えない
といったことです。
どれか一つだけであれば、「もう少し頑張ろう」と思えることもあります。
しかし、こうした状況が毎日のように続くと、少しずつ職場への不信感が強くなっていきます。
特に大きいと感じるのが、「相談しても何も変わらない」と職員が感じてしまうことです。
仕事が大変でも、管理者が話を聞いてくれたり、少しでも改善しようとしてくれたりする職場であれば、「もう少し続けてみよう」と思えることがあります。
反対に、何度相談しても状況が変わらなかったり、職員の意見が軽く扱われたりすると、最終的には仕事内容ではなく「この施設では働き続けられない」という気持ちにつながりやすくなります。
また、介護職はチームで働く仕事だからこそ、職員同士の関係も非常に重要です。
明確なパワーハラスメントがなくても、強い口調の職員がいる、質問しづらい、職員によって態度が違うといった環境が続けば、毎日の勤務そのものがストレスになります。
そのため、退職を考えたときには、「何が一番嫌なのか」だけではなく、「小さな不満がいくつ重なっているのか」まで整理してみることが大切だと思います。
そして、その不満が施設内の相談や異動で改善できるものなのか、それとも施設の体質や運営方針そのものに関係しているのかも考えてみてください。
介護そのものが嫌になったように感じていても、実際には「今の施設で働くこと」に疲れている場合もあります。
一度職場を変えたことで、同じ介護職でも前向きに働けるようになる人もいます。
だからこそ、退職を考えるときは、「介護を辞める」のか「今の施設を辞める」のかを分けて考えることが大切だと思います。
参考:
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」
厚生労働省「介護現場におけるハラスメント対策」
「介護職を辞めたい」のか「今の職場を辞めたい」のかを分けて考える
退職を考えるときに、特に重要なのが「何を辞めたいのか」を整理することです。
介護職を辞めたいと思っていても、実際には現在の職場や働き方を変えるだけで解決できる場合があります。
| 現在の悩み | 考えられる選択肢 |
|---|---|
| 今の施設が合わない | 別の介護施設へ転職する |
| 今の働き方が合わない | 夜勤なし・日勤中心などへ変更する |
| 介護そのものが合わない | 介護以外の仕事も検討する |
今の「職場」がつらいケース
人間関係、管理者、施設方針、人員配置、教育制度などが主な不満なのであれば、介護職自体を辞める必要がない可能性があります。
同じ介護施設でも、法人や施設によって人員体制、職員構成、設備、教育方針などは異なります。
今の「働き方」がつらいケース
夜勤、不規則勤務、身体介護中心の仕事などが負担になっている場合です。
デイサービスや訪問介護、日勤のみの求人、パート勤務など、働き方を変える方法があります。
「介護という仕事そのもの」が合わないケース
一方、
- 利用者と接すること自体に強い苦痛を感じる
- 身体介護を今後も続けたいと思えない
- 介護について学びたいと思えない
- 以前から別の仕事をしたいと考えている
という場合は、介護業界以外も含めて考えてよいでしょう。
「職場」「働き方」「介護そのもの」の3つを分けることで、退職後の選択肢が見えやすくなります。
参考:
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
介護職を辞めるべき?続けるべき?7つの判断基準
退職には、すべての人に共通する正解はありません。
迷っている場合は、次の7つを判断材料にしてください。
① 心身に無理が出ていないか
最優先して確認したいのが自分自身の状態です。
- 十分に眠れない状態が続いている
- 休日でも疲れが抜けない
- 日常生活に大きな変化が出ている
- 仕事への強い不安やストレスが続いている
などがある場合は、「自分が弱いだけ」と決めつけず、必要に応じて専門家への相談を検討してください。
② 安全な介護を提供できる状態か
介護職は、自分だけでなく利用者の安全にも関わります。
- 確認漏れが増えている
- ヒヤリハットが増えた
- いつも焦って介助している
- 利用者へ声を掛ける余裕がない
という場合には注意が必要です。
「まだ働けるか」ではなく、「安全に働き続けられる状態か」という視点でも考えてみてください。
③ ハラスメントなど大きな問題がないか
暴言、嫌がらせ、パワーハラスメントなどがある場合は、単純に「慣れるまで我慢する」という問題ではありません。
勤務先の相談窓口や上司へ相談し、職場内で解決が難しい場合には、公的な相談窓口を利用する方法もあります。
④ 上司への相談で改善できる問題か
夜勤回数、配属、人間関係、業務量などは、相談することで改善する場合があります。
もちろん、相談すれば必ず解決するわけではありません。
しかし、
「改善しようとしてくれる職場なのか」
を見る一つの判断材料になります。
⑤ 3か月後・半年後も同じ働き方を続けられそうか
新人だから今だけ大変なのか、慢性的な人員不足などで今後も同じ状況が続くのかを考えます。
現在のつらさが「一時的なもの」なのか「長期的に改善しそうにないもの」なのかを分けて考えましょう。
⑥ 今の職場で成長できそうか
介護職には、
- 介護福祉士
- ケアマネジャー
- リーダー
- 生活相談員
- 管理職
- 認知症ケア
- 看取りケア
など、さまざまなキャリアがあります。
今の職場に、資格取得やスキルアップを支援してくれる環境があるかも確認してみましょう。
⑦ 職場を変えれば解決できないか
最後にもう一度、
「介護を辞めたい」のか、「この施設を辞めたい」のか
を考えてみてください。
人間関係、人員配置、勤務時間、給与、施設方針などが原因であれば、別の介護事業所に移ることで改善する可能性があります。
参考:
厚生労働省「こころの耳・働く方へ」
厚生労働省「総合労働相談コーナー」
【チェックリスト】介護職を辞めるか迷ったときに確認したいこと
判断できない場合は、一度悩みを可視化してみましょう。
□ 休日でも仕事の疲れが取れない
□ 人間関係について毎日のように悩んでいる
□ 上司へ相談しても改善されない
□ 夜勤や勤務形態が自分に合っていない
□ ミスやヒヤリハットが以前より増えている
□ 今の職場で働き続ける姿を想像できない
□ 介護そのものより現在の施設に不満がある
□ 別の施設なら介護を続けてもよいと思える
□ 給与・待遇に納得できない
□ 成長やキャリアアップができる環境ではない
ただし、
「○個当てはまったら退職」と判断するためのチェックリストではありません。
一つしか当てはまらなくても重大な問題の場合がありますし、多く当てはまっていても改善できる場合があります。
このチェックリストは、「自分が何に困っているのか」を整理するために活用してください。
参考:
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
介護職を辞めると決める前に試しておきたい7つのこと
緊急性の高い問題がなく、すぐに退職する必要がない状況であれば、次の方法を試してみることもできます。
① 辞めたい理由を書き出す
「全部嫌」と考えるのではなく、何が一番つらいのか細かく分けます。
例えば「夜勤が嫌」であれば、
- 一人になる時間が怖い
- 休憩できない
- 生活リズムが崩れる
- 急変対応に不安がある
など、さらに原因を細分化します。
② 不満に優先順位をつける
給与、人間関係、休日、勤務時間などの中で、何を一番改善したいのかを考えます。
これは次の職場を探す際にも役立ちます。
③ 信頼できる上司や同僚に相談する
勤務体制、人間関係、業務量、新人教育などは、管理者側が問題を十分把握していない場合もあります。
④ 夜勤回数や勤務形態を相談する
「介護は続けたいけれど夜勤がつらい」という場合には、勤務形態を変更できないか相談する方法があります。
⑤ 異動できないか確認する
複数施設や複数部署を持つ法人であれば、退職ではなく異動によって環境を変えられる場合があります。
⑥ 他施設の求人を見て比較する
転職すると決めていなくても問題ありません。
他施設の、
給与・年間休日・夜勤体制・福利厚生・教育制度
などを見ることで、現在の職場を客観的に判断しやすくなります。
⑦ 必要に応じて外部へ相談する
ハラスメントや労働条件など、職場内だけでは解決しにくい問題もあります。
その場合は、公的な相談窓口も選択肢になります。
「退職する・我慢する」の二択にせず、改善・異動・勤務変更・転職まで含めて考えることが大切です。
参考:
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
厚生労働省「総合労働相談コーナー」
介護職を辞めなくても「職場を変える」ことで解決する場合がある
同じ介護職でも、施設・サービスによって仕事内容や働き方は大きく変わります。
今の施設が合わないからといって、介護業界すべてが自分に合わないとは限りません。
入所施設から別のサービスへ変える
特養などの入所施設では24時間利用者を支援するため、夜勤を含む勤務になることがあります。
一方、デイサービスなど日中の勤務が中心になるサービスもあります。
夜勤ありから日勤中心へ変える
夜勤が最も大きな負担なのであれば、日勤のみの職場を探す方法があります。
正社員からパートなどへ働き方を変える
家庭環境や体力に合わせ、勤務時間や日数を調整することも選択肢です。
介護経験を活かして別の仕事を考える
介護職では、
- コミュニケーション
- 状況判断
- 多職種との連携
- 介護記録
- 利用者・家族への対応
など、さまざまな経験を積みます。
これまでの経験を整理し、別の職種で活かすこともできます。
「介護を辞める」前に「別の介護の働き方を探す」という選択肢も持っておきましょう。
介護職を辞めると決めたら確認しておきたいこと
検討した結果、現在の職場を退職すると決めた場合は、感情的に進めるのではなく必要な手続きを確認しましょう。
雇用契約書・就業規則を確認する
まず、自分の雇用契約が期間の定めのない契約なのか、有期契約なのかを確認します。
あわせて、勤務先の就業規則に記載されている退職手続きも確認しましょう。
退職希望日を考える
次の仕事、生活費、有給休暇、引き継ぎなどを考えて退職希望日を検討します。
上司へ退職意思を伝える
基本的には、勤務先のルールに沿って直属の上司などへ伝えます。
必要な引き継ぎを行う
介護現場では利用者に関する重要な情報を扱います。
必要な申し送りや担当業務の引き継ぎを行いましょう。
有給休暇や必要書類を確認する
有給休暇や退職後に必要になる書類なども勤務先へ確認しておくと安心です。
なお、
「退職は必ず○日前なら問題ない」とすべてのケースを一律に判断することは避けましょう。
契約形態や就業規則などによって状況が異なるため、個別に確認することが大切です。
参考:
大阪労働局「退職・解雇等に関するよくある質問」
厚生労働省「総合労働相談コーナー」
次の介護施設で同じ理由で辞めないために確認したいポイント
転職する場合に大切なのは、
「今の職場から離れること」だけを目的にしないことです。
現在の職場で嫌だった部分を整理し、次の職場で同じ問題が起こらないか確認しましょう。
職員同士の雰囲気
施設見学ができる場合は、職員同士の声掛けや新人への接し方を確認します。
職員数・人員体制
職員が常に走り回っていないか、利用者へ落ち着いて接する余裕があるかも一つの判断材料です。
夜勤体制
夜勤回数・夜勤人数・夜勤手当・休憩や仮眠などを確認します。
新人教育
「未経験歓迎」という言葉だけではなく、
誰が・どの程度の期間・どのように教えてくれるのか
まで確認できると安心です。
給与・処遇
月給だけではなく、
基本給・夜勤手当・資格手当・処遇改善・賞与・昇給
を分けて確認しましょう。
職員の定着状況
厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」では、介護事業所に関するさまざまな情報を確認できます。
求人情報だけでは分からない部分を調べる際にも活用できます。
そして可能であれば、
求人票だけで決めず、実際に施設を見学することをおすすめします。
職員の表情、利用者への声掛け、施設内の雰囲気など、現場を見なければ分からないこともあります。
【実務者目線】介護職を辞めたいときに一番考えてほしいこと
介護職を辞めたい理由は、人間関係、人手不足、給与、夜勤など一つだけとは限りません。
実際の現場では、
人手が足りない
↓
仕事に追われる
↓
職員同士に余裕がなくなる
↓
人間関係が悪くなる
↓
休憩も取りにくくなる
↓
「もう辞めたい」と感じる
というように、複数の問題がつながっていることがあります。
だからこそ、
目の前の一つの不満だけではなく、「なぜ辞めたい状態になったのか」まで考えることが重要です。
また、介護の仕事そのものが嫌なのか、現在の施設が嫌なのかによっても、その後の選択は変わります。
施設を変えることで、同じ介護職でも働きやすくなる場合があります。
反対に、心身への負担が大きくなっているにもかかわらず、
「人手不足だから辞められない」
「周りに迷惑をかけるから辞められない」
という理由だけで無理を続けることが、必ずしも最善とは限りません。
最終的には「周りがどう思うか」だけではなく、「自分がこれからどのように働きたいのか」を基準に考えることが大切です。
ここに筆者の実体験を追加予定
13年間介護現場で働いてきて感じるのは、実際に退職する職員ほど、突然「辞めます」と決めるというより、
少しずつ仕事への向き合い方が変わっていくことが多いという点です。
例えば、それまで積極的に質問していた職員が何も聞かなくなったり、休憩中にほとんど話さなくなったり、「もうどうでもいいです」といった言葉が増えたりすることがあります。
このような変化が見られるときは、単純に「仕事に慣れてきた」「やる気がない」と判断するのではなく、職場に対して諦めを感じ始めていないかを見ることも大切だと感じます。
また、「辞めたい」と相談されたときに私が重要だと思うのは、本人が何を変えれば続けられそうなのかを話せる状態かどうかです。
「夜勤回数を減らせれば続けたい」「配属先が変われば考えたい」など、改善したい部分が具体的に出てくる場合は、まだ職場側で対応できる可能性があります。
一方で、
「何が変わっても続けたいと思えない」
「もうこの職場に期待していない」
という段階まで気持ちが離れている場合は、無理に引き止めても長く続かないことがあります。
実際の現場では、退職を防ぐことそのものよりも、本人がどこまで職場に期待を持てているかを早い段階で確認することの方が重要だと感じます。
介護職を辞めたいときは、「何が嫌なのか」だけでなく、「何が変われば続けられるのか。
それとも、もう環境が変わっても続けたいと思えないのか」まで考えてみると、自分の気持ちを整理しやすくなります。
参考:
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
介護職を辞めたい人によくある質問
介護職を辞めたいと思うのは甘えですか?
辞めたいと思ったことだけで「甘え」と判断する必要はありません。
人間関係、人手不足、給与、身体的・精神的負担など、介護職にはさまざまな悩みがあります。
大切なのは、辞めたい理由を整理し、改善できる問題なのか、環境を変えた方がよいのかを考えることです。
介護職を1か月・3か月で辞めるのは早いですか?
勤務期間だけで、一律に早い・遅いと判断することはできません。
新人期間特有の不安であれば、教育や相談によって改善する場合があります。
一方、ハラスメントなど重大な問題がある場合には、
「最低○か月は続けなければならない」と期間だけを基準に無理をする必要はありません。
人間関係を理由に辞めてもいいですか?
人間関係は仕事を続けるうえで大きな要素です。
特にハラスメントなどがある場合には、一人で抱え込まず、勤務先や公的相談窓口へ相談することも検討してください。
人手不足なので辞めたいと言いづらいです
自分が辞めることで他の職員に迷惑をかけるのではないか、と感じる方もいるでしょう。
しかし、
施設の人員配置や採用を一人の職員だけで背負うことはできません。
退職する場合は、雇用契約や就業規則を確認し、必要な手続きを行いましょう。
介護福祉士を取ったあと介護職を辞めると資格は無駄になりますか?
介護福祉士として学んだ知識や、これまで積み重ねた実務経験がなくなるわけではありません。
将来介護業界へ戻る場合や、介護経験を活かせる仕事に就く場合にも役立つ可能性があります。
介護職から異業種へ転職できますか?
可能です。
介護職で培った、
コミュニケーション・記録・チーム連携・状況判断・利用者や家族への対応
などを整理し、次の仕事でどのように活かせるかを考えてみましょう。
退職理由はすべて正直に伝えなければいけませんか?
相手や伝える目的に応じて整理して説明しましょう。
特に転職面接では前職への不満だけで終わらず、
「次の職場ではどのように働きたいのか」まで説明できるようにすることが大切です。
参考:
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
厚生労働省「総合労働相談コーナー」
まとめ|介護職を辞めたいときは「介護」か「職場」かを分けて考えよう
介護職を辞めたいと思う背景には、
人間関係・人手不足・給与・夜勤・身体的負担・精神的負担・利用者や家族との関係・施設方針
など、さまざまな理由があります。
しかし、
「介護職を辞めたい」と「今の職場を辞めたい」は同じではありません。
迷ったときは、
今の職場を続ける
↓
勤務時間や働き方を変える
↓
施設を変える
↓
介護業界の中で別の働き方を探す
↓
介護以外の仕事を検討する
というように、選択肢を広げて考えてみてください。
また、心身への負担が大きい場合や、ハラスメントなど深刻な問題がある場合は、一人で抱え込まず、勤務先・医療機関・公的相談窓口などを利用することも大切です。
辞めること・続けることのどちらかが正解なのではなく、自分が無理なく働ける環境を選ぶことが重要です。
これから介護職として働く方も、現在の職場で悩んでいる方も、まずは「介護そのもの」と「現在の職場」を分けて考えるところから始めてみてください。
参考:
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
厚生労働省「介護人材確保に向けた取組」
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筆者:matsuo syota
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