2026.08.31

【例文あり】介護記録の書き方|新人介護士向け基本・NG例・コツ

目次

更新日:2026年8月26日制度・参考リンク確認日:2026年8月25日

執筆者プロフィール

介護経験13年目の介護福祉士。ユニット型施設での勤務経験をもとに、新人介護士が現場で迷いやすい介護記録の基本や注意点を、実務者の視点から分かりやすく解説します。

この記事は、これから介護職に就く方や、記録の書き方に不安がある新人介護士に向けた内容です。

介護経験13年目の介護福祉士が、5W1H・客観的な書き方・NG表現・場面別の例文を、実際の介護現場を想定して分かりやすく解説します。

この記事を読めば、利用者の状態・行った対応・その後の変化を整理し、誰にでも伝わる介護記録を書けるようになります。

この記事で分かること

  • 介護記録に何を書けばよいか
  • 5W1Hを使った基本的な書き方
  • 主観と客観的事実の違い
  • 食事・排泄・入浴・転倒などの記録例
  • 避けたい表現と適切な言い換え方
  • 記録と口頭報告の使い分け
  • 短時間で正確に記録するコツ

介護記録とは?新人介護士にも分かりやすく解説

介護記録とは、利用者の状態や発言、提供したケア、その後の反応などを残す記録です。

単なる「その日に行った仕事のメモ」ではありません。日々の情報を職員間で共有し、利用者へ継続したケアを提供するための大切な資料です。

厚生労働省も、介護現場では変化し続ける利用者の状況を把握し、緊急性や重要性を考慮して職員間で共有することが重要だと示しています。

介護記録に残す主な内容

記録する内容は、施設やサービスの種類によって異なります。一般的には、次のような情報を残します。

  • 食事・水分・排泄・入浴・睡眠などの生活状況
  • 利用者の表情、発言、行動
  • 体温・血圧・脈拍などの測定値
  • 実施した介助や声かけ
  • 介助に対する利用者の反応
  • 普段と異なる状態や変化
  • 事故・ヒヤリハットの状況
  • 看護師や上司などへの報告内容
  • 報告後に受けた指示と、その後の経過

介護記録を書く5つの目的

介護記録には、主に次の目的があります。

  1. 職員間で利用者の情報を共有する
  2. ケアの継続性と安全性を保つ
  3. 利用者の状態変化を把握する
  4. 支援方法やケアプランの見直しに役立てる
  5. 実施したケアや事故対応の経過を残す

たとえば、夜勤者が「夜間に3回トイレへ行き、2回目に立位のふらつきがみられた」と記録していれば、日勤者も普段との違いを意識して観察できます。

反対に「特に変わりなし」としか書かれていなければ、何を確認したうえで変化がないと判断したのか分かりません。

介護記録は誰が読むのか

介護記録を読むのは、同じ部署の介護職員だけではありません。

  • 看護師
  • ケアマネジャー
  • 生活相談員
  • リハビリ職
  • 管理者
  • 利用者本人や家族
  • 必要に応じて行政などの関係機関

そのため、施設内だけで通じる表現や感情的な言葉を避け、状況を知らない人が読んでも理解できる内容にする必要があります。

介護記録は利用者と職員の双方を守る

事故や苦情が発生したときは、「いつ、どのような状態を確認し、誰に報告して、どのように対応したか」が重要になります。

正確な記録は、利用者だけでなく、ケアを行った職員を守ることにもつながります。

一方で、記録がなかったり内容が曖昧だったりすると、実際には適切なケアをしていても、その経過を後から確認できません。

現場目線のポイント
普段は短い生活記録でも、事故・体調変化・服薬に関する出来事では「発見時刻」「確認した状態」「対応」「報告先」「指示」「その後の経過」が特に重要です。

参考資料

新人介護士が最初に覚えたい介護記録の基本7つ

介護記録では、長い文章を書くことよりも、必要な情報を正確に伝えることが大切です。まずは次の7つを意識しましょう。

1.5W1Hを意識して書く

5W1Hに沿って情報を整理すると、記録の抜け漏れを減らせます。

ただし、分からない「なぜ」を職員の憶測で埋めてはいけません。

たとえば、床に座っている利用者を発見したものの、転倒した瞬間を見ていない場合は、「歩こうとして転倒した」と断定せず、「ベッド右側の床に座っているところを発見した」と事実を書きます。

2.主観ではなく客観的な事実を書く

主観とは、書いた職員の感想や推測です。客観的事実とは、実際に見た行動、聞いた発言、測定した数値などを指します。

NG例

今日は元気がなかった。

改善例

10時、食堂で椅子に座り、目を閉じている様子が約10分みられた。職員が声をかけると、「少し眠い」と返答あり。

「元気がない」という印象を、確認できた様子と本人の言葉に置き換えています。

3.利用者の発言はできるだけそのまま残す

本人の訴えは、かぎ括弧を使って残すと職員の解釈と区別できます。

「右膝が痛くて立ちにくい」との訴えあり。

「痛そう」「帰りたいようだ」と言い換えるのではなく、本人が実際に話した言葉を記録しましょう。

4.数値・回数・時間を具体的に書く

「少し」「たくさん」「何度も」「しばらく」といった言葉は、人によって受け取り方が変わります。

  • 「水分を少し摂取」→「麦茶100mL摂取」
  • 「食事を半分くらい食べた」→「主食5割、副食4割摂取」
  • 「何度もトイレへ行った」→「21時から23時までに3回トイレへ行く」
  • 「しばらく休んだ」→「居室のベッドで約20分休息」

施設で決められた単位や入力方法がある場合は、そのルールに合わせます。

5.職員の対応と利用者の反応まで書く

介護記録は、出来事だけで終わらせず、可能な範囲で次の順番につなげます。

利用者の状態・発言→職員の対応→利用者の反応→報告・今後の対応

不十分な例

入浴を拒否した。

改善例

14時、入浴の声かけに対し「今日は入りたくない」と発言あり。理由を尋ねると「少し寒い」と話された。室温を調整し、30分後に再度声をかけたところ、「それなら入る」と返答あり。14時40分より入浴を実施した。

6.誰が読んでも分かる言葉を使う

専門用語や略語がすべて悪いわけではありません。しかし、利用者や家族、多職種が読む可能性を考え、施設で正式に決められていない略語の多用は避けましょう。

また、「わがまま」「しつこい」「勝手に」といった感情的な表現ではなく、具体的な発言や行動を書きます。

7.発生時刻・入力者・訂正方法を確認する

出来事が起きた時刻と記録を入力した時刻は、同じとは限りません。時間を置いて入力する場合も、いつ起きた出来事なのかが分かるようにします。

入力後に誤りへ気づいた場合は、自己判断で削除したり、事実と異なる内容へ書き換えたりせず、勤務先の訂正ルールに従ってください。

現場目線のポイント
新人職員は「詳しく書かなければ」と考え、文章が長くなりがちです。まずは、時刻・状態・対応・結果の4点が入っているか確認すると、短くても伝わる記録になります。

参考資料

介護記録は「事実・対応・結果」の順番で書くと分かりやすい

何から書けばよいか迷う方は、「事実・対応・結果」の3つに分けて考えてみましょう。

新人でも使いやすい基本の型

○時○分、【場所】で【確認した事実・本人の発言】がみられた。
【職員が行った対応】を実施した。
その後、【利用者の反応・状態】がみられた。
【報告した相手】へ報告し、【受けた指示・今後の対応】となる。

たとえば、昼食を拒否した場面では次のように書けます。

12時、昼食を提供するも手をつけず、「お腹が痛くて食べたくない」との訴えあり。体温36.7℃。看護師へ報告し、居室で休息するよう指示を受ける。12時15分に居室へ誘導。ベッドへ臥床後、「横になると楽」と話される。看護師の指示により経過観察を継続する。

短い記録と詳しい記録を使い分ける

毎回、同じ長さで書く必要はありません。

定時の生活記録では、摂取量や介助内容を簡潔に記載します。一方、体調変化、事故、服薬に関する問題、家族からの苦情などは、経過を時系列で詳しく残す必要があります。

「特変なし」だけでは不十分なことがある

「特変なし」は短くて便利な表現ですが、それだけでは何を確認したか分からない場合があります。

たとえば夜間の睡眠状況を記録する欄なら、次のように書くと具体的です。

0時・2時・4時の巡視時、ベッド上で閉眼していることを確認。呼吸状態に変化なし。ナースコールなし。

ただし、定型項目で睡眠・呼吸・体位などを別にチェックしている場合は、同じ内容を文章で重複させる必要がないこともあります。記録欄の目的と勤務先のルールに合わせましょう。

参考資料

SOAP形式を使った介護記録の書き方

SOAPとは、利用者の情報を「主観・客観・評価・計画」の4つに分けて整理する記録方法です。状態変化や課題、対応の方向性を多職種で共有するときに役立ちます。

SOAP形式の例文

食欲低下がみられた場面をSOAPで整理すると、次のようになります。

S:「のどが痛くて飲み込みにくい」との訴えあり。
O: 昼食の主食2割、副食1割摂取。水分50mL摂取。食事中に咳込み1回あり。体温36.8℃。
A: のどの痛みにより食事摂取量が低下している可能性がある。
P: 看護師へ報告済み。食形態について確認し、夕食時も摂取量、咳込み、本人の訴えを観察する。

新人がSOAPを書くときの注意点

  • SとOを混ぜない
  • 本人が言っていない内容をSに書かない
  • Aで病名を断定しない
  • 根拠のない推測を書かない
  • Pを「様子を見る」だけで終わらせず、観察項目や報告先を具体化する

SOAPは便利ですが、すべての事業所や記録で採用されているわけではありません。勤務先が別の方式を採用している場合は、その方式を優先してください。

参考資料

【場面別】そのまま応用できる介護記録の例文

ここからは、介護現場でよくある場面ごとに例文を紹介します。例文はそのままコピーせず、実際に確認した事実へ置き換えて使用してください。

食事介助の記録例

食事では、摂取量だけでなく、食事動作、姿勢、むせ込み、本人の発言、介助内容なども観察します。

12時、食堂にて昼食。主食8割、副食10割、水分150mL摂取。右手でスプーンを持ち自力摂取される。後半に手が止まったため「お腹はいっぱいですか」と尋ねると、「もう十分」と返答あり。むせ込みなし。

水分摂取の記録例

15時、おやつ時に麦茶を提供。「冷たいものが飲みたい」と希望あり、温度を調整して再提供する。200mL全量摂取。むせ込みなし。

排泄介助の記録例

9時20分、「トイレに行きたい」との訴えあり。歩行器を使用し、職員1名の見守りでトイレへ移動。排尿あり。排便なし。立ち上がり時にふらつきがみられたため、腰部を支えて介助した。居室へ戻るまで転倒なし。

便の性状や尿量などは、勤務先で定められた表記方法に従います。

入浴介助の記録例

14時、一般浴を実施。更衣は上衣のみ一部介助。左前腕に約2cmの発赤を確認し、本人へ尋ねるも「痛くない」と返答あり。看護師へ報告し、経過観察の指示を受ける。入浴中の気分不良なし。

移乗・移動介助の記録例

10時、居室から食堂まで歩行器を使用して移動。立ち上がり時に職員が腰部を支えた。歩行中に右側へ傾く様子が1回みられたため停止を促す。椅子で約2分休息後、歩行を再開。食堂まで転倒なく移動した。

服薬時の記録例

8時、朝食後薬を提供するも、「今日は飲みたくない」と発言あり。服薬を強要せず看護師へ報告。看護師が本人へ説明した後、8時15分に内服を確認した。

落薬、誤薬、服薬拒否などは、記録だけで済ませず、勤務先の手順に沿って速やかに看護師や上司へ報告します。

レクリエーションの記録例

14時、食堂で行われた歌のレクリエーションに約30分参加。職員の歌に合わせて手拍子をし、「この歌は知っている」と笑顔で話された。途中退席なし。

「楽しそうだった」ではなく、笑顔、発言、手拍子など実際に確認した様子を書いています。

帰宅願望がみられた場合の記録例

16時、玄関前で「家に帰って夕飯を作らないと」と話される。職員が「夕飯の時間までこちらでお茶を飲みませんか」と声をかけると、「そうする」と返答あり。食堂へ移動し、お茶100mLを摂取。その後、他利用者と会話して過ごされた。

介助を拒否された場合の記録例

20時、就寝前の更衣を勧めると、「今は着替えたくない」と発言あり。理由を尋ねると「まだ眠くない」と話される。無理に介助せず、30分後に再度声をかけたところ同意あり。20時35分、更衣を一部介助した。

体調不良・発熱時の記録例

13時10分、居室で「寒気がする」との訴えあり。体温38.0℃、血圧128/72mmHg、脈拍88回/分。顔面に発赤あり。看護師へ13時15分に報告し、居室で休息、水分摂取を促すよう指示を受ける。麦茶100mL摂取。14時の体温37.8℃。引き続き経過観察する。

介護士が診断できない病名を断定せず、症状、測定値、報告、指示を記録します。

転倒・転落を発見した場合の記録例

2時15分、センサー作動により訪室。ベッド右側の床に、両足を前へ伸ばした状態で座っているAさんを発見した。「トイレに行こうとした」と発言あり。意識清明。右肘に約1cmの擦過傷を確認。「右肘が少し痛い」と訴えあり。身体を動かさず看護師へ連絡し、指示を受ける。2時20分、看護師が状態を確認。その後の対応は事故報告手順に沿って実施した。

転倒した瞬間を見ていない場合は、「転倒していた」と断定せず、発見時の姿勢や本人の発言を分けて書くことが重要です。

ヒヤリハットの記録例

11時、食堂でAさんが椅子から立ち上がり、歩行器を使用せず歩き始める様子を確認。
職員がすぐに付き添い、歩行器を準備した。転倒なし。「トイレに行きたかった」と発言あり。

フロアリーダーへ報告し、食事後の排泄誘導時間を見直すこととなる。

夜勤・巡視時の記録例

1時の巡視時、ベッド端に座っている様子を確認。「トイレ」と発言あり。歩行器を準備し、職員1名の見守りでトイレへ移動。排尿あり。
1時15分に再臥床。2時の巡視時は閉眼しており、呼吸状態に変化なし。

家族から要望があった場合の記録例

10時30分、長女より電話あり。「最近、食事量が減っていないか確認したい」との問い合わせを受ける。
直近3日間の摂取量を確認し、生活相談員から折り返し連絡する旨を伝える。10時40分、生活相談員へ報告した。

家族の言葉と職員の回答を分け、対応していないことを「対応済み」と書かないよう注意します。

現場目線のポイント
例文を丸暗記するよりも、「何が起きたか」「何をしたか」「どうなったか」を確認する習慣が重要です。
同じ食事拒否でも、本人の訴えや体調、職員の対応は毎回異なります。

参考資料

介護記録で避けたいNG例と適切な言い換え

介護記録には、利用者への敬意と客観性が必要です。ここでは、新人職員が使いやすい一方で、誤解を招きやすい表現を紹介します。

本人の尊厳を損なう表現を避ける

記録は本人や家族が読む可能性があります。
「問題行動」「徘徊」「汚い」「しつこい」などの言葉だけで人を評価せず、発言、行動、時間、場所、職員の対応を書きましょう。

介護士の判断で病名や原因を断定しない

「肺炎になった」「認知症が進行した」「薬の副作用でふらついた」など、確認できていない原因を断定してはいけません。

介護士は観察した状態や測定値を記録し、必要な相手へ報告します。
診断や判断を受けた場合は、誰からどのような説明・指示があったか分かるようにします。

言い訳を書くのではなく事実を残す

事故後に「忙しかったため見守れなかった」「本人が勝手に動いた」と書いても、必要な情報は伝わりません。

事故発生前後の職員配置や対応が必要な場合も、感情や責任回避の表現ではなく、時系列に沿って確認できた事実を書きます。

参考資料

記録だけでは不十分|すぐに口頭報告・連絡が必要な場面

介護記録は重要ですが、緊急性の高い出来事を記録欄に入力するだけでは、必要な人へすぐに情報が届かない可能性があります。

次のような場面では、安全確保と勤務先で定められた報告・連絡を優先します。

すぐに報告が必要な主な場面

  • 転倒・転落などの事故が起きた、または発見した
  • 意識、呼吸、顔色に普段と異なる変化がある
  • 強い痛み、発熱、嘔吐などの訴えがある
  • 誤薬、落薬、服薬拒否が発生した
  • 食事中に強いむせ込みや窒息の危険がある
  • 利用者が行方不明になった
  • 利用者や家族から虐待・苦情に関する訴えがあった
  • 自分だけでは緊急性を判断できない

緊急時に優先する順番

基本的には、次の流れで考えます。

  1. 利用者と周囲の安全を確保する
  2. 応援を呼び、看護師や上司などへ報告する
  3. 指示を受けて必要な対応を行う
  4. 落ち着いた後に、事実と対応を時系列で記録する

具体的な連絡先や順番は、施設・事業所の緊急時対応マニュアルに従ってください。

厚生労働省は、介護事故が発生した際には必要な措置を講じ、関係先へ速やかに連絡するとともに、事故に際して行った処置を記録することを示しています。

「記録に書いたから伝わっている」は危険

介護ソフトへ入力しても、看護師や管理者がすぐに画面を見るとは限りません。

緊急性や重要性が高い内容は、記録と口頭報告の両方が必要です。報告した後は、「誰へ」「何時に」「何を報告し」「どのような指示を受けたか」も記録します。

現場目線のポイント
新人のうちは緊急性を正確に判断できないことがあります。「これくらいなら報告しなくてよい」と一人で決めず、普段と違うと感じた段階で相談することが大切です。

参考資料

介護記録を早く正確に書く7つのコツ

記録に時間がかかる原因は、文章力だけではありません。
必要な情報を覚えていない、書く順番が決まっていない、すべてを長文にしようとすることも主な原因です。

1.介助中から観察項目を意識する

食事なら摂取量とむせ込み、排泄なら回数や性状、移動ならふらつきや介助量など、
場面ごとの観察項目を覚えておくと記録しやすくなります。

2.時刻・数値・発言を短くメモする

忘れやすい情報は、「13:10、寒い、38.0℃、NS報告」のように短く控えます。
ただし、氏名や健康情報を含むメモは個人情報です。

使用する用紙、保管方法、廃棄方法は勤務先のルールに従ってください。

3.記憶が新しいうちに入力する

後でまとめて書こうとすると、時刻や発言、対応の順番が曖昧になります。
すぐに入力できない場合も、必要な情報をメモし、可能な範囲で早めに記録しましょう。

4.「事実→対応→結果」の型を使う

書く順番を固定すると、文章を毎回一から考える必要がありません。

5.よく使う表現をストックする

「訴えあり」「見守りで移動」「看護師へ報告」「経過観察を継続」など、
適切な表現を覚えると入力時間を短縮できます。

ただし、前回の文章をコピーして、確認していない内容まで残してはいけません。

6.すべてを長文で書こうとしない

よい記録とは長い記録ではなく、必要な情報を短時間で理解できる記録です。

7.迷ったときは先輩職員に確認する

新人のうちは、「どこまで書くのか」「誰へ報告するのか」が分からないのは当然です。

完成した文章だけを見てもらうのではなく、「この場面では何を観察すればよいですか」と質問すると、次から自分で記録しやすくなります。

参考資料

紙の記録と介護記録ソフトで注意すること

紙と介護記録ソフトでは、注意点が一部異なります。どちらの場合も、利用者の健康状態や生活状況など、重要な個人情報を扱っていることを忘れてはいけません。

紙の介護記録で注意すること

  • 読める文字で書く
  • 消える筆記具を自己判断で使わない
  • 空欄や記入漏れを確認する
  • 修正液や修正テープを自己判断で使わない
  • 訂正方法は事業所の規程に従う
  • 記録用紙を持ち出したままにしない

介護記録ソフトで注意すること

  • 入力する利用者を間違えない
  • 自分のIDで入力しているか確認する
  • コピー後の氏名・日時・内容を確認する
  • 保存・確定できているか確認する
  • パスワードを他人と共有しない
  • 端末を開いたまま離席しない
  • 許可なく個人端末へ情報を保存しない

音声入力やAIを使う場合の注意点

音声入力や生成AIは、記録作成を効率化できる可能性があります。しかし、施設の許可なく、利用者の氏名・病歴・身体状況などを外部サービスへ入力してはいけません。

使用が認められている場合も、次の点に注意します。

  • 誤変換や数値の間違いを確認する
  • 実際に確認していない内容を追加しない
  • AIの推測を事実として記録しない
  • 出力された文章をそのまま保存せず、記録者が確認する
  • 施設の情報セキュリティ規程に従う

介護関係記録に含まれる病歴や身体状況などは、個人情報保護上、慎重な取扱いが必要な情報です。

参考資料

【実務者目線】介護記録で新人職員によくある失敗

ここでは、新人介護士が陥りやすい記録上の失敗と、その対策を紹介します。

忙しくて後からまとめて書こうとする

忙しい時間帯に記録できないことはあります。しかし、数時間分を記憶だけで書こうとすると、時刻や順番、利用者の発言が曖昧になります。

対策: 時刻・数値・発言・報告先だけでも一時的にメモし、早めに正式な記録へ反映する。

普段の状態を知らないまま「変化なし」と書く

「いつも通り」を知らなければ、変化がないとは判断できません。

対策: 申し送りや過去の記録を確認し、食事量、排泄回数、歩行状態など、比較できる情報を持つ。

介助内容だけを書き、利用者の反応を書かない

「食事介助実施」「入浴介助実施」だけでは、その支援が本人に合っていたか分かりません。

対策: 摂取量、表情、発言、できた動作、介助後の状態を一つでも加える。

本人の発言と職員の解釈を混ぜる

「帰宅願望あり」とだけ書くと、本人が何を話し、何を求めていたのか分かりません。

対策: 「家に帰って夕飯を作る」と発言あり、のように本人の言葉を残す。

記録に書いたことで報告も済んだと思う

緊急性の高い情報は、記録欄に入力しただけでは伝達が遅れる可能性があります。

対策: 必要な相手へ口頭または勤務先で決められた方法で報告し、その事実も記録する。

先輩職員の記録をそのままコピーする

記録の形式を参考にすることは勉強になりますが、前日の内容をそのままコピーすると、実際とは異なる記録になる危険があります。

対策: 型だけを参考にし、日時・状態・発言・対応・結果はその日に確認した事実へ置き換える。

事故後に言い訳を書いてしまう

「忙しかった」「本人が勝手に動いた」と書くと、状況が正しく伝わらず、利用者を責める文章にもなります。

対策: 発見前後の状況、発見時の状態、対応、報告を時系列で書く。

きれいな文章にしようとして時間をかけすぎる

文章を整えることに集中しすぎると、記録が遅れ、重要な情報共有まで遅くなる場合があります。

対策: 文学的な表現ではなく、短い文で事実をつなげる。

現場から伝えたいこと
新人のうちは記録に時間がかかって当然です。大切なのは、先輩の文章を丸ごと真似することではなく、
「先輩は何を観察しているのか」を学ぶことです。観察項目が分かると、書く内容も自然に決まってきます。

参考資料

介護記録を書く前のチェックリスト

記録は入力して終わりではなく、保存・提出前の確認までが重要です。次の項目を確認しましょう。

すべての記録に全項目が必要なわけではありません。食事摂取量などの日常記録と、事故・体調変化の記録では必要な情報量が異なります。出来事の重要性に合わせて確認してください。

参考資料

介護記録の書き方に関するよくある質問

介護記録は「です・ます調」と「だ・である調」のどちらで書きますか?

一般的には、簡潔に書きやすい常体が使われることがあります。
ただし、全国一律で文体が決められているわけではないため、勤務先のルールに合わせて統一してください。

文体以上に、事実が正確に伝わることが重要です。

何も変化がない日は「特変なし」だけでよいですか?

定型項目で必要な状態を確認できている場合は、勤務先のルール上認められることがあります。
一方、「何について変化がないのか」が分からない場合は、睡眠、食事、排泄など確認した内容を簡潔に加えたほうが伝わります。

利用者の発言はどこまでそのまま書きますか?

状態や要望を理解するうえで重要な発言は、できるだけ本人の言葉で残します。
長い会話をすべて書くのではなく、判断や支援につながった部分を記録しましょう。

記録を書き忘れた場合はどうすればよいですか?

気づいた時点で先輩や上司へ相談し、勤務先の追記方法に従います。
発生時刻と追記した時刻を混同せず、思い出せない内容を推測で補わないでください。

入力内容を間違えた場合は削除してよいですか?

自己判断で削除せず、紙・電子記録それぞれの訂正ルールに従います。
事故や状態変化に関する記録を、事実と異なる内容へ書き換えてはいけません。

事故報告書と介護記録は何が違いますか?

介護記録は日々の状態とケアの経過を残すもの、事故報告書は事故の状況や再発防止を所定の様式で報告するものです。
事故時はどちらか一方だけでよいとは限らないため、勤務先の手順に従ってください。

記録が遅い新人はどうすれば早くなりますか?

場面ごとの観察項目を覚え、「事実→対応→結果」の順番を固定しましょう。
時刻、数値、本人の発言だけを短くメモしておくことも有効です。

AIや音声入力を使ってもよいですか?

勤務先が許可した仕組み以外へ、利用者の個人情報を入力しないでください。
使用できる場合も、誤変換、事実と異なる補足、利用者の取り違えがないかを記録者自身が確認する必要があります。

参考資料

まとめ|介護記録は上手な文章より「正確に伝わること」が大切

介護記録は、利用者の状態や提供した支援を職員間で共有し、安全で継続したケアにつなげるためのものです。

新人介護士が最初に意識したいポイントは、次のとおりです。

  • 5W1Hを使って情報を整理する
  • 職員の感想ではなく客観的な事実を書く
  • 本人の発言、数値、時刻、回数を具体的に残す
  • 「事実→対応→結果」の順番で書く
  • 事故や体調変化では報告先と指示も残す
  • 緊急時は記録より先に安全確保と報告を行う
  • 施設独自の書式や訂正方法を確認する

最初から、短時間で完璧な記録を書ける人はいません。先輩の記録から文章だけでなく観察するポイントを学び、基本の型を繰り返し使うことで、必要な情報を少しずつ整理できるようになります。

介護記録で大切なのは、難しい言葉やきれいな文章ではありません。

利用者に何が起き、自分が何を行い、その後どうなったのかを、次に読む人へ正確に伝えることが重要です。
迷ったときは一人で判断せず、先輩職員や上司へ確認しながら身につけていきましょう。

参考資料


筆者:matsuo syota

タグ

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